構造の検討
全体の構成としては、加工のしやすさなどからブームは「角パイプ」を使用し、20エレ以下であれば、マストへの固定位置は、再後端の片持ちで充分です。
問題は、エレメントです。ホームセンターには、板厚が1.5~2mm前後のアルミの帯板が販売されており、これがそのまま利用できれば、非常に丈夫ですし、長さ方向の切断だけで、簡単にANT製作が可能となります。しかし、帯板の幅は最も小さいものでも10mmです。世の中を探しましたが、これより細い帯板というのは存在しません。
一方、Webにある情報や、書籍などの情報を調べましたが、一般的に1/30λを超えるような太さのエレメントでは、短縮率に著しい影響があり、ANTとして正常な動作はしないというのです。確かに、どの製作記事や市販品を見ても、エレメントのアルミ帯板の幅は、2mmとか3mmが多く、最も広いものでも7mmを超える情報は見つかりませんでした。
しかし、帯板を切断するとなれば、シャーリングマシーンなど特殊な設備を要し、コストも長さ2mで数百円のアルミ帯板の何倍にもなってしまいますし、そもそも「ホームセンターの市販品で作ろう」と、意気込んでいた話は、消し飛んでしまいます。
疑い深い私は、例によって、書籍やWeb情報は理屈だけで、実際には嘘が多いことから、思い切って、ホームセンターで売っている材料を調達し、試作に挑戦してみることにしました。
材料設計
| 構造部位 | 使用する材料 | 参考コスト |
| ブーム材 | 10mm角の、アルミ角パイプ 4mの定尺物を購入後 必要な長さに切断して利用 | 4mで約¥1k前後で購入可能 |
| エレメント (給電素子含む) | アルミ帯板 幅10mm 厚さ2mm 2m物 4m定尺物を買おうとしたら板厚が3mmだった。 | 2mで約¥400前後で入手可能 |
| 給電部結合材料 | 以前、印旛沼クラブの資料を拝見したときに、ハトメ を使っているのを見て感心し、真似させて頂いた。 | カシメ工具+ハトメ50個の セットで\600ぐらい |
| エレメント固定材 | ネジの頭の高さが2mmしかない特殊ネジを見つけて 使用したが、普通のステンレストラスで良い。 | 1本当たり約30円で、座金+ ナットもほぼ同額 |
| 給電用ケーブル | 50Ωなら何でもよいが、RG178にSMA-Pが付いた市 販ケーブルが手持ちにあったので、それを使用。 | 千石電商で1mが、¥400 ぐらいで売ってます。 |
| マストへの固定構造 | 単管足場パイプ連結用のクランプを使用。太さや結合 方向など、多彩なバリエーションが選べる。 | 種類により多少異なるが、概 ね¥200前後で購入可能 |
試作してみた!
エレメントの太さ(帯板の幅)が、世間で言われている寸法に対し、相当大きすぎるのが最も気がかりです。先ずは本当にそのエレメントで動作するか確かめるために、世間で実績があると言われている、「マキ電機さんのLOOP八木」のDATAで、大雑把な試作をしてみました。
マキ電機さんが、その昔、設計・製造していたLOOPの寸法です。マイクロ波の世界を切り開いてくださった、マキ電機の親父さんや、印旛沼クラブの皆さんのように、それら残してくれた技術を、YOUTUBEなどを通じ広め、普及させる活動をしている皆さんには、本当に頭が下がります。
| エレメント名称 | 切断長 | 有効長 | ブーム先端からの位置 |
| 反射器 | 263 | 253 | 129 |
| ラジエタ | 235 | 225 | 105 |
| D1 | 223 | 213 | 84 |
| D2 | 223 | 213 | 63 |
| D3 | 223 | 213 | 5 |

試作結果の確認
何のことはありません。
私が思った通り、エレメントが太くても、大して調整することなく、SWRも下がりました。
が、しかし、SWRというのは、正直どうでもよいことで、飛ぶかどうかがアンテナにとっては一番大事ですから、近くの高台に移動して、モービルホイップと比較してみました。
むむっ・・ なんと、たったの5エレでも、結構飛びます。
5/8λのモービルホイップより、はるかに良く聞こえますし、飛んでいきます。
手で持って回してみると、ちゃんと指向性もフロント方向に出ているのが、実感できますし、意外とサイドも切れます。う~ん、我ながら中々だなぁ・・・ と、自己満足に浸ったものの、考えてみれば、マキ電機さんが考えたDATAですから、全く私の業績ではないですね。
いずれにしても、エレメントはホームセンターで売っている、アルミの帯板そのままでも問題ないことが確認できたのは大収穫です。
次は、自分で寸法をアレンジしてもっと性能の良いものを作るぞ! → その3につづく


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